身体の冷えに有効なツボについて
頑固な手先や足先などの末端の冷え、おなかや腰の冷え…これらを解消してくれるひとつの方法として「身体のツボの刺激」があります。
ツボ(経穴)とは、全身のエネルギーの通り道である「経絡」の要所にある「ポイント」のことです。
心身がバランスを崩しているときに経絡を通じて、対応しているツボにその影響が現れるようになっており、そこを刺激することで身体に有益な作用をもたらすのです。
以下に最もポピュラーな刺激の方法である「ツボ押し」の方法と、全身様々な場所に存在する、冷えに有効なツボをご紹介します。
【ツボ押しの方法】
ツボ押しは、主に手の親指の腹を使って行います。
-
「一押し」は3~5秒かけて「痛いけど気持ちが良い」程度の力で押します。
-
押したら肌から指を離さず、緩める感じで3秒ほどかけ力を抜きます。
-
一つのツボにつき5~10回の「ツボ押し」を繰り返します。
ポイントは「息を吐きながら押し、息を吸いながら力を抜く」ことです。また、手や足に存在するツボなど、左右対称の位置にあるツボは両方とも押しましょう。
入浴中や入浴後など、身体の血行の良い時に行うとさらに効果的です。
【身体の冷えに有効なツボ】
○手・腕にあるツボ
・合谷(ごうこく)
「全身の痛みを和らげる」と言われる万能のツボ。手足の冷えや肩こり・頭痛・眼精疲労に有効です。
位置→手の親指と人差し指の合わさった位置から、少し人差し指に寄ったところにあります。
・陽池(ようち)
手足の先まで血行を良くし、温める効果があります。
位置→手の甲側で、手首の中央から少し小指寄りにあります。手首を反らせたときに出る、しわの中央にできる窪みの位置が目安です。
【おなかにあるツボ】
・気海(きかい)
自律神経を整え、全身の血行を良くします。特に泌尿器系・生殖器系の内臓の働きを整える効果があります。
位置→おへそから指2本分下がった位置にあります。
【背中にあるツボ】
・腎兪(じんゆ)
腹部の血行を良くして代謝を促します。腰の冷え・生理痛・生理不順・更年期障害の諸症状やや腎臓の病気に効果があります。
位置→「おへそのちょうど裏側」の腰の位置から、およそ指2本分外側にあります。
【脚にあるツボ】
・三陰交(さんいんこう)
血行やリンパ液の循環を良くします。
手足の冷えやむくみ・生理痛・生理不順・更年期障害の諸症状を和らげるので、女性にとっては大切なツボと言えます。
位置→内くるぶしから指4本上(8~9cm)の、すねの骨と筋肉の境目にあります。
・太谿(たいけい)
全身の血行を促進します。特に下半身の冷えやコリ、足のむくみに有効です。
位置→内くるぶしの頂点からアキレス腱の方向に向かってなぞったときに存在する、少しへこんだ場所です。
【足の甲にあるツボ】
・太衝(たいしょう)
血行を促進するほか、心身の疲れやストレス解消に有効なツボです。
位置→足の親指と人差し指の間を足首の方向に向かってなぞり、2本の骨がぶつかるところにあります。
【足裏にあるツボ】
・湧泉(ゆうせん)
下半身の冷え・むくみだけでなく心身の疲れ、ストレス解消に有効なツボです。生理痛や更年期障害の諸症状を和らげる効果もあります。
位置→足の指を曲げた時に足裏にできる「少しくぼんだところ」にあります。土踏まずの中央より少し上にあたります。
いかがでしょうか。
食べ物や運動に気を配りつつ、ツボ押しを並行するとだんだん身体が「冷え知らず」になっていくのを実感できるでしょう。
なお、ツボへの刺激は体調不良や発熱時、お酒を飲んだ後は避けましょう。妊娠中の方は医師に相談してから行うようにしてくださいね。